【徹底解説】GDPを超わかりやすく解説したい!

途上国に赴任すると多くの場合、日本人スタッフは少数です。バングラデシュも一人体制や二人体制の企業さんが多かった印象です。

本社への説明資料を自分で作らなければならないことは多々あるでしょう。「自分の製品の分野のことは実際にビジネスをしているからよくわかるんだけど、経済や制度のことは自信がない、、、」

今回のテーマはGDPです。

経済の大きさを表すものだということは、なんとなくイメージがわくんですが、経済の難しい理論もすっ飛ばしてちゃんと理解したい。統計を使いこなしたい。そんな方は是非読んでください。

GDPとは?

GDPはGross Domestic Produntの頭文字をとってGDPです。日本語にすると「国内総生産」と言われます。「国内総生産」と聞くと、「国内で生産されたものの合計」ということは理解できると思いますが、「国内で生産されたもの」とは一体何なのでしょうか?

それは「財産」「付加価値」です。

国内で新しく作られた財産と付加価値の合計がGDPなんです。

財産と聞くと、どのようなものが頭に浮かびますか?例えば、マンション(不動産)なんかは財産のイメージがありますよね。車なんかも財産です。スマホだと財産という人、消耗品だという人に分かれそうですね。

「財産=お金」とシンプルに考える方もいると思いますが、「お金」単体では財産とは言えません。これは下の「GDPに含まれないもの」の中で説明します。

付加価値といえば、例えば高級ホテルで素晴らしいサービスでおもてなしをしてもらったときに、素泊まりのホテルに泊まった以上の付加価値を感じます。吉野家の牛丼もとても美味しいですが、高級焼肉店で霜降りの牛肉を食べたほうが価値が高く感じますし、金額も大きく跳ね上がりますよね。

GDPが高い国はそれだけ「物質的に豊かである」ということは言えそうです。

三面等価の原則

GDPを考える上で、三面等価の原則を考える必要があります。

三面等価の原則の原則とは、「生産」「分配」「支出」の3つが同一である、という考え方です。

生産というのは、まさに財産と付加価値のことです。

分配とは何でしょうか?分配とは給与のことです。

単純計算すると、日本国民の平均給与は約400万円です。国民の人数は約1億2,500万人です。ではGDPはというと、400万✕1億2,500万人で500兆円です。もちろん他に変数はあるので、必ずしも一致はしませんが、これが分配面からみたGDPです。

そして最後に支出です。支出は民間消費や政府支出、投資や純輸出によって計算されます。

これは次の項目で詳しく解説したいと思います。

GDPの計算方法

では、GDPはどうやって計算されるのでしょうか?
計算式は支出面から求められ、以下のようになります。

「生産」されたものは「消費」されていく、または「投資」され財産となっていくの2パターンしかありません。したがって、支出面からGDPを計算する場合は、「消費」と「投資」に焦点を当てて計算していくことになります。

GDP=消費+投資+輸出-輸入

消費の計算方法については、例えば以下の図を見てみてください。

生産から消費まで

工場でスマホが生産されました。金額としては30,000円です。それが輸送され、小売店に35,000円で届きました。小売店ではそのスマホを50,000円で販売し、女性がそのスマホを使用(消費)している構図です。

ではこの場合、GDPとして計算されるべき金額はいくらでしょうか?「生産」という言葉で聞くと、「30,000円なのでは?」と思うかもしれませんが、日本国内で新しく作られた財産と付加価値の合計がGDPということが理解できていれば、輸送費も小売店での販売費もすべてGDPに含まれると考えることができます。「生産」という視点から考えるとサービス部分の付加価値一つ一つ積み上げねばならず、消費面から考えるという方法を取っています。

次に、「投資」についてです。「投資」は一般的な理解のとおりです。住宅投資と設備投資などがこれに当たります。生産されたものも、使われずに残ったものは「在庫」(未来への財産投資)として投資に分類されます。

消費と投資からGDPを計算すると、そのままではまずい部分があります。それは輸出と輸入です。「国内」総生産であるので、輸入された製品は国内で消費・投資されているにも関わらず、国内で生産されていません。30,000円で製造されたスマホも、その中に外国製の部品があればそれはGDP内に含めることは難しくなります。逆に輸出されてしまった製品は国内で消費も投資もされません。したがって、輸出はGDPにプラス、輸入はGDPからマイナスする必要があります。

以上から、「消費」「投資」「輸出」「輸入」の4つで式を立てると、以下のようになります。

GDP=「消費」+「投資」+「輸出」-「輸入」

GDPに含まれないもの

GDPに含まれそうで含まれないものをいくつか挙げたいと思います。

まず含まれないものだと認識してもらいたい最重要項目は「貯蓄」です。

「貯蓄という財産を築いているじゃないか!!」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。単に「お金」というのは評価の基準だと考えてください。例えば、その貯蓄を作るためにアルバイトをしたのであれば、そのアルバイトは生産に含まれます。しかしそのお金を貯めてしまうと、生産活動はそれまでです。

例えば、その稼いだお金で外食をする、製品を買う、住宅という財産に変えるという行為にすれば、それは生産活動になり、GDPに含まれることになります。日本のGDPの伸び悩みに悩む方一人一人が10,000円ずつ使えば相当GDPは伸びるのではないかな、と思います。

次に中古品です。新品を作った際にその製品はもちろんGDPに含まれます。中古品の売買を生業としている企業さんもたくさんいらっしゃいますが、それ自体はGDP増にはなりません。アンティークとして評価され、新品よりも価格が上昇したという場合もその増加額分はGDPに含みません。

さらに、株や土地です。株式投資、不動産投資と呼ばれますが、株式は商業生産する会社そのものであり、不動産は元からあるものなので、それ自体を購入することが付加価値を生み出すことになっていないからです。

最後に、海外への投資です。海外直接投資(Foreign Direct Investment=FDI)といいますが、これは「国内」への投資ではないので、もちろんGDP増には貢献しません。ですが、投資先の海外のGDP増になります。

輸出入については説明しましたが投資についても同様に考えます。ただ、輸出入と異なり、投資された側(統計をとる国側)でその投資額を認識できるので、あえて海外からの投資をプラスマイナスしなくてもよい、という点を認識しておいてください。

GDPを推計する

国内の財産や付加価値を厳密に計算することは可能なのでしょうか?答えは「できない」ですが、いろいろな統計を組み合わせて「推計」することはできます。ですので、GDPというのは推計値であることをご理解ください。

推計方法まで突っ込みたいところですが、ここを掘り出すと本当に専門的な話になってしまうので、リンクだけ残しておきたいと思います。

国民経済計算の作成方法 令和2年11月

ただ、消費については「民間の消費」と「政府の消費」が分けて計算されることは覚えておいた方がよいかもしれません。推計方法は「国際連合」が基準を出しているため、国際的にほぼ同一基準で推計されていることも魅力的です。

次回は実際に国際連合のデータを利用して、実際にGDPを細かく見ていきたいと思います。

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